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金属部品の製造において、金属3Dプリンターの活用が急速に進んでいます。中でも複雑な形状を持つ流体機械部品への適用は、多くの技術者から注目を集めています。
本記事では、インペラやタービンブレード、フィンに対する金属3Dプリンティングの適用可能性について詳しく解説します。
従来の加工方法では難しかった形状の実現や開発期間の短縮など、新たな製造手法がもたらす変化を見ていきましょう。
複雑な流体機械部品の設計や製造に携わる技術者や研究者の方におすすめです。
また、金属3Dプリンターの導入を検討している企業の生産技術担当者にも役立ちます。
次世代のドローン開発や航空宇宙分野に取り組む設計者の方にも、有益な情報となるでしょう。
金属3Dプリンティングによるインペラやタービンブレードの新しい製造手法と利点がわかります。
トポロジー最適化を活用した軽量化や、キャビテーション対策に向けた形状工夫について理解できます。
最新のトロイダルプロペラなど、複雑な形状設計に対する具体的な適用例や製造のポイントを知ることができます。
流体機械の性能を左右する部品において、金属3Dプリンティング技術の導入が大きな変化をもたらしています。
複雑な曲面を持つ部品を一体成形できるため、設計の自由度が飛躍的に向上します。
ポンプなどに使われるインペラには、大きく分けてオープンインペラとクローズドインペラがあります。
オープンインペラは比較的加工しやすい形状ですが、クローズドインペラは流路が覆われているため切削加工が非常に困難です。
従来は鋳造で作るか、複数の部品を削り出してから溶接でつなぎ合わせる必要がありました。
金属3Dプリンターを用いれば、このクローズドインペラであっても内部の流路を自由に設計し、一体で作形することが可能です。
これにより、複数の部品を溶接して組み立てる手間が省け、製造期間の大幅な短縮につながります。
さらに、溶接箇所が存在しないため、接合部の強度不足や応力集中といった懸念も払拭できます。
発電機や航空機エンジンに使用されるタービンブレードは、極めて高い耐熱性と強度が求められます。
金属3Dプリンティング技術を活用することで、内部に複雑な冷却流路を持つタービンブレードを製造できます。
これにより、部品を内側から効率よく冷やすことができ、エンジンの燃焼温度を上げて出力を向上させることが可能です。
また、熱交換器などに用いられるフィンも、表面積を最大化するための微細な形状を直接造形できます。
従来の曲げ加工や切削では作れないような、波打つような立体的なフィン形状も設計どおりに製造可能です。
これにより、熱効率を極限まで高めることができ、機器全体の小型化や省エネルギー化に大きく貢献します。
| 部品名 | 従来工法の課題 | 金属3Dプリンティングの利点 |
| オープンインペラ | 複雑な羽根形状の切削に多軸加工機が必要 | 特殊な工具を使わずに一度の工程で造形可能 |
| クローズドインペラ | 内部流路の切削が困難で分割や溶接が必要 | 複雑な内部流路を持つ形状を継ぎ目なく一体成形可能 |
| タービンブレード | 複雑な内部冷却流路の形成が技術的に難しい | 理想的な冷却流路を内部に直接造形し冷却効率を向上 |
| フィン | 微細で立体的な形状の加工に時間とコストがかかる | 表面積を最大化する複雑な形状を容易に実現可能 |
金属3Dプリンティングは、単に部品の作り方を変えるだけでなく、設計そのものの考え方を新しくします。
従来は製造上の制約から諦めていた理想の形状を、そのまま現実に形にできるからです。
近年注目を集めているのが、ループ状の羽根を持つトロイダルプロペラです。
この特殊な形状は、流体から発生する騒音を抑えつつ、高い推進力を生み出す特徴を持っています。
先端部分が閉じたループ構造になっているため、空気の渦が発生しにくく、エネルギーの損失が少ないのが特徴です。
しかし、その複雑な立体構造から、従来の金型成形や切削加工では製造が非常に困難でした。
金属3Dプリンターを使えば、このトロイダルプロペラも高精度かつ短期間で造形することができます。
静音性と飛行効率が強く求められる次世代のドローン開発において、金属製の特殊形状プロペラは非常に重要な要素となります。
流体が高速で移動する際、圧力低下によって気泡が発生する現象をキャビテーションと呼びます。
この気泡が崩壊する際の衝撃は、インペラやスクリューの表面を著しく損傷させ、機器の寿命を縮めてしまいます。
ポンプや船舶の推進器を設計する上で、長年にわたり技術者を悩ませてきた深刻な問題です。
金属3Dプリンティングを活用すれば、流体力学に基づいた理想的な曲面を正確に再現できます。
流体の剥離や局所的な圧力低下を防ぐ緻密な形状設計により、キャビテーションの発生を効果的に抑制することが可能です。
これにより、部品の寿命を大幅に延ばし、過酷な環境下での安定した稼働を実現できます。
部品の強度を保ちながら無駄な部分を削ぎ落とす手法をトポロジー最適化と呼びます。
この手法で導き出された骨組みのような複雑な形状は、従来の加工方法では形にすることができませんでした。
材料のムダを省きつつ、必要な強度を確実に維持できる理想的な設計手法として注目されています。
金属3Dプリンティングとトポロジー最適化を組み合わせることで、極めて軽く、かつ強度の高い部品を生み出せます。
航空宇宙分野やドローンなど、軽量化が直接性能や飛行時間に直結する分野において、この技術の組み合わせは絶大な効果を発揮します。
持ち運ぶ重量を少しでも減らしたいという要望に対して、これまでにない確実な解決策を提示できるのです。
Q1. 金属3Dプリンターで製造した部品の強度は、削り出した部品と同じくらいですか?
A1. 材料の種類や造形時の条件によりますが、適切な熱処理を施すことで鍛造品や切削品と同等以上の強度を得ることが可能です。
Q2. クローズドインペラを造形する際、内部のサポート材はどうやって除去しますか?
A2. サポート材が不要な角度で内部流路を設計するか、造形後に化学処理で溶かすことができる特殊なサポート材を使用します。
Q3. タービンブレードの材料にはどのような金属が使われますか?
A3. 非常に高温となる環境での使用を想定し、ニッケル基超合金であるインコネルや、軽量で高強度なチタン合金がよく使用されます。
Q4. トポロジー最適化とは具体的にどのようなものですか?
A4. 部品にかかる力をコンピュータで計算し、強度が不要な部分を取り除いて、最も無駄のない効率的な形状を自動で導き出す技術です。
Q5. トロイダルプロペラをドローンに採用する最大の利点は何ですか?
A5. 従来のプロペラに比べて耳障りな風切り音が大幅に減少し、市街地など騒音が気になる場所での飛行に適した静音性を実現できる点です。
Q6. 金属3Dプリンターで造形した部品の表面は滑らかですか?
A6. 造形直後の表面はわずかにザラザラしているため、流体部品として使う場合は性能を高めるために研磨などの後加工を行うのが一般的です。
Q7. インペラやブレードの製造コストは従来よりも安くなりますか?
A7. 単純な形状を大量生産する場合は従来工法が有利ですが、複雑な形状の部品を少量生産する場合や試作段階ではコストを大幅に抑えられます。
Q8. 金属3Dプリンターでフィンを作る際、どのくらい薄く作ることができますか?
A8. 使用する装置の性能や金属粉末の種類によりますが、0.2ミリから0.5ミリ程度の非常に薄く緻密なフィンを造形することが可能です。
金属3Dプリンティング技術は、インペラやタービンブレード、フィンといった複雑な流体機械部品の製造に大きな革新をもたらしています。
クローズドインペラの一体成形や、トポロジー最適化を用いた極限の軽量化など、その利点は多岐にわたります。
キャビテーションを効果的に抑える曲面形状や、次世代ドローン向けのトロイダルプロペラなど、新しい設計を形にするための強力な手段です。
今後はさらに材料や造形技術が進歩し、より高性能で耐久性に優れた流体部品が次々と生み出されていくことでしょう。
従来の製造方法では限界を感じていた設計課題も、金属3Dプリンターの活用によって鮮やかに解決できる可能性が広がっています。

当サイトを運営する東金属産業株式会社は、航空宇宙・防衛産業・モータースポーツ・半導体分野を中心に金属3Dプリンティングの材料開発・試作・量産を行っております。
特にメーカーとの共同開発で豊富な実績があり、トポロジー最適化設計やDfAM(Design for Additive Manufacturing)のノウハウを駆使して工程集約、リードタイム短縮、軽量化、部品一体化など様々な付加価値を提供いたします。
東金属産業では、これまで5,000点以上の金属積層造形の試作・量産実績があり、その経験を活かして、切削・研削加工など従来の製造プロセスでは実現困難であった複雑形状や機能性を、金属3Dプリンティングへの工法転換によって実現することをご提案しております。
基本的には、後工程を不要とするネットシェイプ・ニアネットシェイプを目指しますが、要求される面粗度や寸法精度によって後工程が必要になることがあるため、弊社では切削、溶接、組立、熱処理、仕上げまでワンストップで対応できる体制を整えております。
さらに、アルミニウム(AlSi10Mg)、ステンレス(SUS316L)、マルエージング鋼、インバーなど様々な造形材料の実績があり、チタン、インコネル、銅合金、樹脂なども協力企業と連携して対応可能です。
具体的に検討される際は、(必要に応じてNDA締結後に)図面や3Dデータを頂きましたら、3Dプリンティング造形への工法転換により、どれくらいコストダウンやサイクルタイム短縮になりうるか、あるいは多少の形状設計が必要か、3Dプリンティング最適化設計(DfAM)により製品・部品の機能性を改善できる余地があるか、といったことをご提案させていただきます。
また弊社は、金属3Dプリンティング専業ではなく、祖業であるアルミ鋳造をはじめ、社内において機械加工、製缶加工、組立を行っています。そのため、金属3Dプリンティングという答えありきではなく、製品・部品の用途や要求仕様、ご予算などの諸条件によっては、他工法をご提案する場合もございます。
お気軽にお問い合わせください。

お客様より、「製品形状が複雑なので五軸で加工しているが納期・コストを改善したい」ということでご相談がありました。
本製品のような複雑形状品の場合、通常は五軸加工を選択しますが、金属3Dプリンティングに工法転換することによりニアネットシェイプが可能となり、大幅な納期短縮を実現しました。

お客様より、「形状的に、切削だと取り代が多くコストが高くなってしまうので3Dプリンタを検討したい」ということで、当社にご相談がありました。
そこで、機械加工レスで造形+バフ研磨のみで製作することをご提案しました。
