
金属3Dプリンティング(AM)技術の進化は、材料開発によって加速しています。中でも、スカルマロイ(Scalmalloy)は、超高強度と軽量性を両立し、航空宇宙産業で最も注目される材料の一つです。スカンジウムを添加した独自組成がもたらす卓越した特性は、機体の信頼性向上と軽量化に不可欠です。
本コラムでは、この革新的なスカルマロイの基礎知識、優れた特性、そして具体的な航空宇宙分野での応用事例を解説します。当社では、スカルマロイの試作実績もありますので、お気軽にご相談ください。
また、Aheadd CP1については別の記事にて詳しくご紹介しておりますので、ご一読ください。
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スカルマロイ(Scalmalloy)は、エアバスグループによって開発された、高性能なアルミニウム合金粉末です。これは、主にL-PBF(レーザーパウダーベッドフュージョン)方式の金属3Dプリンターで使用されるために設計されました。この材料の最大の独自性は、その組成にあります。アルミニウム(Al)を主成分としながら、マグネシウム(Mg)と微量のスカンジウム(Sc)を添加した特殊な合金です。特に、非常に高価なレアメタルであるスカンジウムが添加されることで、金属組織の微細化と強化に大きく寄与し、従来のアルミニウム合金を遥かに超える強度と延性を実現します。
スカルマロイは、アルミニウム合金でありながら、一部のチタン合金に匹敵するレベルの高い引張強度と降伏強度を実現します。この「軽さ(アルミ)と強さ(チタン級)」の両立こそが、航空宇宙産業において決定的なメリットとなります。
航空機部品は、離着陸や飛行中の振動、繰り返し応力に常に晒されます。スカルマロイは、これらの繰り返し負荷に対する耐性(疲労特性)が極めて高く、部品の長寿命化と高い安全性の確保に貢献します。
高強度な材料は一般的に脆くなりがちですが、スカルマロイは優れた**延性(粘り強さ)**も兼ね備えています。これにより、突然の破損(脆性破壊)のリスクを低減し、高い信頼性が要求される構造部品に適しています。
マグネシウムを主成分とするため、特に応力腐食割れに対する耐性など、一般的なアルミニウム鋳造合金よりも優れた耐食性を持っています。
| 採用される主な理由 | 応用事例 |
|---|---|
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燃料効率の向上(軽量化)
燃料消費を抑えるため、従来の部品から軽量な積層造形品に転換。 |
ブラケット、ハウジング、構造支持部品などの、質量制限が厳しい構造部品。 |
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高い信頼性の確保(高疲労特性)
振動や繰り返し応力に対する高い耐性により、長期間の安全な使用を保証。 |
繰り返し負荷に晒されるアンテナ取り付け部品やギアボックス部品。 |
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設計の自由度(DfAM)
強度を維持しながら極限まで軽量化する複雑な内部構造を実現。 |
従来の工法では不可能な複雑な軽量格子構造(ラティス構造)の組み込み。 |
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部品統合(パーツインテグレーション)
複数の部品を一つに統合し、組立コストと故障リスクを低減。 |
溶接やネジ止めが必要だった複数の機能を持つ複雑なアセンブリ部品。 |
スカルマロイの試作実績もあり!
当サイトを運営する東金属産業株式会社は、モータースポーツ・レーシングカー向けの空力パーツ(エアロパーツ)や補強部品をはじめ、航空宇宙、半導体、自動車など様々な業界向けに金属3Dプリンティングの材料開発・試作・量産を行っております。
機密保持の関係上、具体的なお客様名やレーシングカーに搭載されている部品の画像は絶対にお見せすることはできませんが、国内の主要レーシングチーム様向けに、フロントサスペンションのタワーブレーンやリヤウイングのルーパー、クラッシュボックスなどの造形品を納品させていただいた実績がございます。実機向け・テストカー向けいずれもお任せください。
当社では、これまで5,000点以上の金属積層造形の試作・量産実績があり、その経験を活かして、切削・研削加工など従来の製造プロセスでは実現困難であった複雑形状や機能性を、金属3Dプリンティングへの工法転換によって実現することをご提案しております。

基本的には、後工程を不要とするネットシェイプ・ニアネットシェイプを目指しますが、要求される面粗度や寸法精度によって後工程が必要になることがあるため、当社では切削、溶接、組立、熱処理、仕上げまでワンストップで対応できる体制を整えております。
さらに、アルミニウム(AlSi10Mg)、ステンレス(SUS316L)、マルエージング鋼、インバーなど様々な造形材料の実績があり、チタン、インコネル、銅合金、樹脂なども協力企業と連携して対応可能です。
切削加工品の工法転換や、部品開発・試作段階における金属積層造形をご検討の際は、お気軽にお問い合わせください。
